7月, 2020年

令和2年秋 雇用保険の最新情報!

2020-07-31

失業保険の給付制限緩和

失業保険とは、雇用保険制度に基づいた求職者給付の基本手当のことで、会社を退職し転職活動を行う際に受給することができます。この雇用保険の基本手当は、失業手当や失業給付などと呼ばれることもあります。

これまで、会社を自己都合で退職した場合、基本手当の受給手続日から原則として7日経過した日の翌日から3か月間は、基本手当を受給できない期間がありました。これを「給付制限」といいます。

この度、令和2年10月1日以降に離職した労働者は5年間のうち2回まで、給付制限が2か月に短縮されることになりました。

給付制限期間が短すぎると、安易な離職を生み出すという懸念もありますが、本来失業給付は、「失業」または「離職」した労働者に対し、生活の保障と再就職の援助を行うための制度なので、要件緩和により、受給者が早期に生活の安定を図ることができると期待されています。

新型コロナによる退職の特例

私たちの生活に多大な影響を及ぼしている新型コロナウイルスですが、この影響により自己都合離職をした場合は、「特定理由離職者」とされ、正当な理由のある自己都合離職として給付制限を適用しないこととなっています。

令和2年2月25日以降に、以下の理由で離職をした労働者が対象となります。

①同居家族の感染等で看護が必要となった

②本人や同居家族に基礎疾患がある、妊娠中または高齢で、感染拡大防止や重症化防止のため

③保育所、幼稚園、小学校、特別支援学校等に通う子の看護が必要となった

コロナ退職の失業給付日数延長特例

新型コロナウイルスの影響で離職した労働者のうち、令和2年6月12日以後に基本手当の所定給付日数を受け終わる者を対象に、最大で60日間、雇用保険の基本手当給付日数が延長されます。

離職日が緊急事態宣言発令以前と、緊急事態宣言発令期間中、緊急事態宣言全国解除後で対象者の範囲が異なります。緊急事態宣言発令後の離職は、特定受給資格者と特定理由離職者が本件の対象となります。

働き方改革や新型コロナの影響で、失業給付制度は少しずつ変化しています。対象者となる方に伝えてあげたいですね。

令和2年度 産業保健関係助成金

2020-07-21

新たに副業・兼業者の健康診断を助成

独立行政法人労働者健康安全機構では、事業者が行う労働者の健康管理、健康教育などの産業保健活動を支援する事業を行っています。例えば、従業員50人未満でストレスチェックが努力義務となっている事業主に対し、実施促進のために支給するストレスチェック助成金など、以下の助成金があります。

<令和2年度版 産業保健関係助成金>

https://www.johas.go.jp/tabid/1689/Default.aspx

①治療と仕事の両立支援助成金(環境整備コース・制度活用コース)

②ストレスチェック助成金

③職場環境改善計画助成金(事業場コース・建設現場コース)

④心の健康づくり計画助成金

⑤小規模事業場産業医活動助成金

⑥副業・兼業労働者の健康診断助成金

この⑥が今年度から新たに設置されたものです。副業・兼業で働いている人は、一般に1つの企業での就労時間数が短く、健康診断の実施義務の対象外となってしまうことから、この助成によって実施を促進しようとするものです。

助成を受けるための要件

この助成金の対象となる「副業・兼業労働者」とは、a)40歳未満、b) 本業や副業を問わず、雇用されている全ての事業場において1週間の労働時間数が当該事業場における同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3未満、の2点となります。

助成額は、1労働者当たり1万円、対象者が複数いる事業場の場合は10万円が上限です。申請は5月29日から受け付けがスタートしています。

副業・兼業での働き方は、まだ法整備が追い付いていないこともあり、企業側にとっては対応が難しい部分もありますが、不安定な雇用環境を背景に広がっていくと考えられます。より優秀な人材を集めるためにも、助成金の活用を検討されてみてはいかがでしょうか。